愛知県経営者協会は、新型コロナウイルス禍の中、地元企業で進んだ働き方改革の事例集を発行した。感染対策として急速に普及したテレワーク（遠隔勤務）やウェブを通じた採用活動などを、愛知、三重県の十社の具体例を挙げて紹介。コロナ後に引き続きそれらを活用する上で必要なポイントをまとめた。

　テレワークの実例は、解体工事マッチングサービスのクラッソーネ（名古屋市）など三社。「社員同士が業務中にコミュニケーションを取る機会が激減した」との課題が浮かび、対策として、同社がウェブ会議システムを使って定期的に雑談の場を設けた例などを紹介した。

　同協会で企業への取材を担当した杉原健太主査は「テレワークによる雑談の減少が、新しいアイデアや社員を育てる機会の喪失につながる可能性がある。柔軟な働き方を可能にした改革の利点を生かすため、事例を参考にご注意を」と呼び掛けた。

　事例集は、一部千五百円。問い合わせは愛知県経営者協会＝電０５２（２２１）１９３１＝へ。