2022/05/12
就業中の熱中症への注意を促し、死傷者の発生を防ごうと、愛知労働局は十一日、県内の工事現場などのパトロールを始めた。伊勢久忠労働基準部長が同日、名古屋・栄で建設会社竹中工務店が施工する中日ビル建て替え工事現場を訪れ、熱中症対策の確認をした。
体が暑さに慣れていない時期に熱中症が発生しやすいことから、毎年五月に実施。伊勢部長は作業員約百人を前に「水分補給や休息を取り、体調がすぐれない場合には早めに申し出てほしい」などと呼びかけた。
現場責任者の案内で、暑さ指数(WBGT)や気温を示す表示板、ミストファンや大型スポットクーラーの設置状況を確認し、売店や休憩室などを見て回った。作業員と積極的な声かけを通じて体調不良者をいち早く把握する対応などの説明も受けた。
同局によると、県内の熱中症による休業四日以上の労働者は昨年は二十八人で死亡者はなかったが、二〇二〇年は九十二人で死亡者は四人に上った。同局は、県内の中堅以上の建設業者など約千事業所に対して、集中的に監督指導をする。
伊勢部長は、暑さ指数に応じ休憩時間を多く取るなどの「科学的アプローチ」を通し、「熱中症対策が多くの事業所で導入されるように啓発活動に取り組む」と話した。 (梅田歳晴)
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