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【社会】インターン情報 採用に活用 24年度卒から産学合意、政府も容認

2022/04/19

 経団連と大学側でつくる産学協議会は十八日、インターンシップ(就業体験)での評価といった学生の情報を、採用選考で活用できるようにすることで合意した。二〇二四年度卒の学生からの適用を目指す。情報を利用できないとしてきた政府も協議会の要請を受け入れ、従来の方針を見直すことを決めた。大学三年夏のインターンが事実上、就職活動の開始と位置付けられる可能性がある。=関連面

 インターン情報の活用で企業側は人材確保の選択肢が広がり、学生は自らの適性を見極められる利点がある。一方で就活の前倒しにつながり、大学教育の空洞化が進むことも懸念される。

 合意によると、企業が学生の連絡先を含む情報を採用活動で活用できる条件として、学生が参加する期間の半分超を実際の職場での就業体験とし、本来のインターンの趣旨から外れないようにする。社員が学生を指導したり、大学三年以降や大学院の長期休暇中にインターンを実施したりすることなども定めた。

 企業側は情報を基に学生へエントリーの案内を送ったり、面接の一部を免除したりできる。協議会は、インターンは採用活動ではないとの立場を変えておらず、採用を希望する学生は改めてエントリーが必要となる。

 文部科学と厚生労働、経済産業の三省は「インターンで取得した学生情報は基本的に採用選考に使用できない」と取り決めていたが、政府は十八日に関係省庁連絡会議を開き、見直すことを確認した。協議会の合意を反映する方針。協議会は政府の方針変更を経て、今の大学二年生から対象にしたい考えだ。

 また協議会は、就業体験を必須とするインターンとは別に、説明会などによる企業・業界のPRを「オープンカンパニー」、職場見学などは「キャリア教育」と分類する。これらの活動で得た学生情報は、採用時には活用できない。