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【愛知】保育士確保を強化 修学資金 県、貸し付け人数枠拡大

2022/03/09

 県は二〇二二年度、県内の大学や短大などで保育を勉強する学生を支援する「保育士修学資金」について、新規に貸し付ける人数枠を現在の六十五人から百二十人に拡大する。待機児童対策で県内の認可保育所などは増えており、保育士の人材確保が急務となっている。(中根政人)

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 県によると、認可保育所や認定こども園などの数は、一六年四月時点で千五百四十六カ所だったのが、二一年四月には千九百二十七カ所に増加した。一方、保育士のなり手は女性が多かったが、最近は女性の就職先も多様化しており、保育士の魅力を高める施策が求められている。

 修学資金は、その施策の一つ。県知事が指定する大学や短大などの保育士養成施設に入学した学生に、学費を月額五万円以内(二年間)、入学準備金を二十万円以内(初年度)、就職準備金を二十万円以内(卒業年度)で無利子で貸し付ける制度。県社会福祉協議会が実際の運営を担う。

 大学などを卒業後、一年以内に保育士として登録し、県内で継続して五年間業務に就いた場合は、全額の返済が免除される。一三年度の制度開始以降、四百三十五人に貸し付け実績がある。

 これとは別に、県は資格を持ちながら保育の現場を離れている「潜在保育士」の就職支援にも取り組んでいる。潜在保育士には、就職準備に必要な資金を無利子で最大四十万円貸し付ける。県内の保育所などで二年間勤務すれば返済免除となる仕組みで、新規に貸し付ける人数枠は四十人。

 県が当初予算案に盛り込んだ事業費は、保育士修学資金と潜在保育士支援を合わせ、約二億五千万円。

 保育士の確保策を巡っては、県議会本会議の議案質疑で七日、自民党の辻秀樹議員が質問。岡本範重福祉局長は、修学資金制度の拡充について「県内では依然として保育士が不足しており、より多くの学生が資格を取得できるように支援していく必要がある」と答えた。