中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】豊田合成の定年 60→65歳に シニア社員の技能・経験 継承狙う

2021/02/15

 豊田合成は十四日、四月から正社員の定年を六十歳から六十五歳に引き上げると発表した。熟練のシニア人材が高い意欲を持って働き続けられる環境を整えることで、経験や技能を次世代に継承する狙いがある。

 これまでも六十歳を迎えた社員は希望すれば六十五歳まで嘱託で働ける再雇用制度があったが、給与水準は下がった。四月以降は六十歳以上の社員にもそれ以前と同じ人事管理制度が適用され、六十五歳まで昇給がある。対象は事務系や工場で働く技能系などを含む全ての正社員。六十五歳を迎えた社員についても、希望や条件に応じて再雇用を可能にする予定だ。

 二〇一三年の高年齢者雇用安定法改正で、企業は定年の引き上げ・廃止や再雇用制度により希望する労働者全員の六十五歳までの継続雇用を義務付けられた。さらに昨年四月の改正で、七十歳までの就業機会の確保も努力義務となった。

 トヨタ自動車は、技能系の社員が六十歳の定年を迎えた後も、現役世代とほぼ同等の待遇を得られる再雇用制度「スキルド・パートナー」を一六年から導入。ホンダは一七年度、トヨタグループの日野自動車は二〇年度にそれぞれ六十五歳定年制を導入している。日本郵政グループも二〇年度に六十歳に達した社員から六十五歳定年制を適用。日本製鉄やJFEスチール、神戸製鋼所の鉄鋼大手三社は二一年度に六十五歳定年制を導入した。