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【愛知】障害者の働き方発信「もにす認定」事業主の活動を冊子に

2021/01/18

愛知労働局

 中小企業の障害者雇用の促進と安定を目的に、愛知労働局が、障害者雇用優良中小事業主認定(愛称・もにす認定)を受けた事業主の取り組みを紹介する冊子づくりを進めている。「もにす」は「ともにすすむ」との思いが込められ、冊子も「もにすBOOK」とする。障害者雇用の現状と認定事業主の取り組みを発信することで、中小企業の障害者雇用を後押しする。2月に完成予定。(梅田歳晴)

 「落ち葉がたくさんあって大変だね」。労働局の伊藤正史局長は昨年十二月、名古屋市中川区のデイサービス施設を訪れ、庭の落ち葉をほうきではく丹下源太さん(29)らに声を掛けた。施設を運営する社会福祉法人フラワー園は、丹下さんら障害者五人を雇用し、昨年二月に県内で二番目に、もにす認定書を受けた。

 伊藤局長が認定を受けた事業所を視察し、雇用されている障害者や事業所担当者らと対談する様子を冊子に盛り込む。対談では山田直子事務長に取り組み状況や経緯などについて聞いた。山田事務長は「障害者というカテゴライズ(分類)をせず、特徴や違いを分かり合うことが大切」などと話し、正規雇用に向けた仕組みづくりの課題などを共有した。

 伊藤局長は「多様な人を認め合うことや多様な働き方は、人材の定着やキャリアアップにつながる。手探りの部分もあると思うが、サポート体制をしっかりして障害者雇用を進めていきたい」と話した。

 もにす認定は、障害者雇用促進法に基づき、二〇二〇年四月から始まった。障害者の法定雇用率を達成し、障害者雇用の体制づくりや仕事づくりなどの評価基準の合計が一定の点数を超えることで認定される。昨年十二月時点で県内で十の事業者が認定を受けている。

丹下さん(左)が庭を掃除する様子を視察する愛知労働局の伊藤局長=名古屋市中川区の「ケアハウスほっとはっと」で
丹下さん(左)が庭を掃除する様子を視察する愛知労働局の伊藤局長=名古屋市中川区の「ケアハウスほっとはっと」で