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【三重】11月有効求人倍率 2カ月連続で低下 1.26倍、コロナで求職長期化か

2022/01/01

 三重労働局が十二月二十八日に発表した十一月の有効求人倍率は一・二六倍で前月を〇・〇二ポイント下回り、二カ月連続での低下となった。新型コロナウイルスの第五波の広がりなどにより、求職活動が長期化している影響とみられる。

 有効求人数は三万一千六百四十七人で前月から1・8%増。ただ、有効求職者数は同2・7%増の二万五千十九人と、堅調な求人数の増加を上回り、倍率を押し下げた。労働局によると、第五波を受けての緊急事態宣言で求職活動が制限されたことなどにより、就職先が決まらない求職者が増えているという。

 産業別の新規求人数では、労働者派遣業や製造業、運輸業が前年同月と比べて大幅に増え、コロナ禍以前に戻った業界も。製造業では海外需要が好調なプラスチック、金属製品が増えた一方、自動車関連は半導体不足などにより伸び悩んだ。宿泊、飲食サービス業では、先行きの不透明感から厳しい状況が続く。

 離職者は、「事業主都合」が六百六人と前年同月比20・6%の大幅減。「自己都合」が二千二人と14・5%増えており、より良い条件を求めての転職が多くなっているとみられる。

 県内九カ所にある職業安定所別の有効求人倍率は、二カ月続けていずれも一倍を超えた。製造業や労働者派遣業に加え、福祉サービス関連でも求人が回復している影響という。ただ、新型コロナの新たな変異株「オミクロン株」の広がりが懸念されており、労働局は「引き続き動向を注視する」としている。(斎藤雄介)