2021/12/02
体験講座開催の代替に
漁業者の減少を食い止めようと、県は本年度内に、就業希望者や中堅漁業者向けのオンライン講座などを配信する「みえ漁師Seeds(りょうシーズ)」の運用を始める。漁業者の法人化などで経営基盤の強化を後押しするほか、新型コロナウイルス禍で「漁師塾」など体験型の講座が難しい時期にも情報発信できるようにする。(斎藤雄介)
用意する講座は大きく分けて、新たに漁業への就業を希望する人向けと、新規就業者を雇用する側の中堅漁業者向けの二種類を想定している。
就業希望者向けでは、定置網漁や海女漁業など種類別に操業方法や一日の流れなどを、現役漁師のインタビューなどを交えて動画で紹介。中堅漁業者向けには、従業員が加入できる社会保険制度の整え方や、個人事業を法人化することによって受けられる税制上の優遇策など、経営についての講座を用意する。
国の統計では、県内で漁業を営む事業者は三千百七十八事業者と、二十年前の半数以下に減少。このうち九割以上が個人事業だった。
県水産振興課によると、新たな就業希望者には、就職先での社会保険を希望して個人事業者のもとでの就業に難色を示す人も多く、既存の漁業者の法人化などによる経営基盤強化が課題となっていた。
また、新型コロナの感染拡大により、各漁協などが漁業に関心を持つ人向けに体験型の漁師塾を開催しても、遠方からの参加が困難な状況に。県の担当者は「まずはオンラインで学んでもらうことで三重の漁業に親しんでもらい、少しでも新規就業や漁業の持続可能性につながれば」と話す。
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