2021/10/16
知的障害や発達障害のある人たちが、実際に働きながらさまざまな力を身に付けられる場として、カフェ「magnet」が今月、瑞穂区苗代町にオープンした。(渡辺紗希)
白が基調の明るい店内で、若葉マークをつけた障害のあるスタッフが、慎重にカレーライスや飲み物を運ぶ。来店者と会話を交わす姿も。運営する一般社団法人障がい者みらい創造センター(南区)の代表理事の竹内亜沙美さん(37)は「働く責任を体感し、ビジネスマナーや稼いだお金の管理の仕方も学んでほしい」と温かく見守る。
メニューは、お茶専門店「妙香園」や「とんかつ家比呂野」などから協力を受けて、飲み物やスイーツ、ランチセットなどをそろえた。観葉植物もゆったり並べ、地域の人や通り掛かる人が気軽に立ち寄れる空間を目指した。
センターが運営する福祉事業所の就労訓練の一環。竹内さんが福祉事業所で働く障害者の工賃が一カ月あたり数千円にとどまるケースもあることに疑問を感じたことなどから開設した。低賃金を改善するとともに、一般の飲食店や社員食堂で生かせる技術を学べるのが特徴で、高校生以上の障害のある人の実習も受け入れる。
竹内さんは「全部の力を込めて働く姿に人間的魅力を感じ、ファンになってもらえるとうれしい」と意気込んだ。
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