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【社会】内定取り消し 136人 厚労省発表 21年卒影響が9割

2021/09/23

 厚生労働省は二十二日、今年三月に卒業した高校生や大学生の採用内定取り消しが、八月末時点で百三十六人(三十七事業所)だったと発表した。うち、新型コロナウイルスの影響によるものが百二十四人(二十五事業所)と九割を超えた。二〇二〇年三月卒業の二百十一人(八十二事業所)に比べて減ったものの、二年連続で百人を上回っており、高止まりの状態が続いている。

 内定取り消しは解雇に相当し、客観的で合理的な理由がない場合は無効。これとは別に入社時期を遅らされた人が百五十七人おり、厚労省が新卒者対象のハローワークで相談に応じている。

 業種別では卸売・小売業が七十五人で最も多く、製造業十九人、医療・福祉十四人と続いた。取り消された百三十六人のうち、九十九人は他の企業などに就職した。全国のハローワークを通じて集計した。

 内定取り消しは、コロナ禍以前は年に数十人で推移。リーマン・ショック後の〇九年三月卒や東日本大震災後の一一年三月卒など災害時や経済危機の際に増える傾向にある。

 同省によると、四月入社予定を直前に取り消されることが多いが、入社時期を遅らせた後に取り消す場合もある。

 厚労省の担当者は「内定取り消しが減ったからといって雇用環境が良くなったわけではない。コロナ禍は続いており、影響を注視する必要がある」としている。