中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【経済】JR東海 東海道新幹線に試験導入

2021/08/27

座席で携帯OK
充電器貸し出し
ビジネス専用車両
働き方の変化踏まえ

 JR東海は二十六日、東海道新幹線「のぞみ」にビジネス専用の「S Work(エスワーク)車両」を試験導入すると発表した。座席に座ったまま携帯電話で通話ができ、追加料金は不要。十月からで、インターネットを使った予約システム「EXサービス」で九月一日以降に予約できる。

 テレワークやオンライン会議の広がりなど働き方の変化を踏まえ、新型コロナウイルス感染拡大で低調な新幹線のビジネス需要を喚起する。会見した金子慎社長は「乗車前後を通してシームレス(つなぎ目なし)に、モバイル端末などを気兼ねなく使用して仕事ができる」と説明した。

 「S」は新幹線とシームレスの頭文字。十六両編成の七号車(普通車)を充てる。最新鋭車両「N700S」を使う一部編成では、画面を囲うついたてや、充電用アダプターを無料で貸し出し、ノートパソコンが快適に使えるようにする。

 N700Sでは、七号車と八号車(グリーン車)で従来の二倍の通信容量がある無料のWi-Fiサービスを十月以降に始める。一部の編成では七、八号車間のデッキにある喫煙ルームは「ビジネスブース」に改造し、短時間の打ち合わせなどに使ってもらう。

 名古屋、東京、新大阪駅の待合室には九月以降、半個室の「ビジネスコーナー」を設け、電子機器を充電可能にする。十二月上旬には、東京駅直結の丸の内中央ビルで、EXサービス会員向けの会議室や個室の運営も始める。

 テレワーク向け車両はJR東日本が東北新幹線で実証実験した例などがある。(中野祐紀)

携帯電話での通話が可能な「S Work車両」のイメージ=JR東海提供
携帯電話での通話が可能な「S Work車両」のイメージ=JR東海提供