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【社会】失業率3.0%に悪化 5月、求人は横ばい1.09倍

2021/06/30

 総務省が二十九日発表した五月の完全失業率(季節調整値)は、前月比0・2ポイント上昇の3・0%となり、二カ月連続で悪化した。昨年十二月以来、五カ月ぶりの3%台。新型コロナウイルス感染拡大に伴う雇用情勢の悪化が長期化し、好転する兆しが見えない状況が続いている。

 厚生労働省が同日発表した五月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月と同じ一・〇九倍だった。有効求人倍率は求職者一人当たりの求人数を示す。コロナ禍前の二〇一九年五月は一・六一倍の高水準だったが、二〇年五月は一・一八倍に急落。今年五月は一・〇九倍まで落ち込み、コロナ前と比べて低水準で推移している。

 失業率を男女別で見ると、男性が前月から横ばいの3・2%、女性は0・4㌽悪化の2・7%だった。完全失業者数は前年同月比十三万人増の二百十一万人。総務省の担当者は「コロナで女性が離職し、新たな職を探す動きが目立った」と分析している。

 五月の宿泊業・飲食サービス業の就業者は三百六十八万人で、一九年五月と比べて四十六万人の大幅減となった。

 雇用情勢の地域差も大きい。都道府県別の有効求人倍率は、最も高い福井県が一・七七倍、最も低いのは沖縄県の〇・七五倍。中部地方では、愛知一・一六倍、岐阜一・三六倍、三重一・一七倍、長野一・三二倍、滋賀〇・九二倍。ブロック別では最高が北陸(新潟、富山、石川、福井)の一・三九倍で、最低が南関東(埼玉、千葉、東京、神奈川)の〇・九七倍だった。