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【地域経済】在宅勤務の小腹に商機 間食需要増 お手軽・ヘルシー商品続々

2021/02/26

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため在宅勤務などのテレワークが推奨される中、中部地方の食品メーカーが、手軽に小腹を満たせる商品を相次いで投入している。テレワーク勤務者は食事回数が多いとの調査結果もあり、各社は栄養面などもアピールしながら需要の取り込みを図っている。(鈴木啓太)

 ポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)は十五日、湯を注いでつくるマッシュポテトの「じゃがネル」に明太(めんたい)チーズ味を、米粉加工品を使った「カップごはんトロリーズ」に台湾の魯肉飯(ルーローハン)をイメージした味を新たに追加した。

 両シリーズとも「間食以上、食事未満」に対応する商品として昨年八月に発売した。働き方改革に対する社会の関心が高まる中、コロナ禍以前から開発に着手していた。在宅勤務や出退社の時間などを自由に決められるフレックスタイム制の導入が広がれば、食事の時間や回数に縛られず、空腹を感じたときに食べる傾向が進むと想定したためだ。

 実際、新型コロナの影響でテレワークの導入が加速した昨年四月に同社が実施した調査では、週四回以上テレワークをする二十~四十代の男女三百三十七人のうち、51・9%が間食も含め一日に四食以上食べていると回答。うち七食以上は5・6%いた。

 じゃがネルは一食当たり八十七~百三十六キロカロリー、軽食の代替のトロリーズは二百十~二百二十キロカロリー。担当者は「スーパーなどの量販店で米飯棚やお菓子売り場など新しい売り場を獲得できているケースもある」と手応えを語る。

 カゴメ(名古屋市)は、野菜と果物を混ぜ合わせたスムージー飲料「野菜生活100 Smoothie(スムージー)」に、季節限定商品として「川中島白桃&マンゴーMix(ミックス)」「愛媛甘夏&レモンMix」の二商品を四月までに順次、投入する。

 健康に気遣いながら、おいしく小腹を満たしてもらおうと、二〇一五年に発売。砂糖や甘味料などを使用せず、一本(三百三十ミリリットル)で一日の野菜目標摂取量の半分を使う。

 同社によると、昨年七~十二月の売上高は前年同期を上回った。長期化する外出自粛や在宅勤務の拡大で、健康的な間食やおやつを食べて気分を一新したいとの需要が高まったのが要因とみている。担当者は「ヘルシーで栄養が取れる飲料として進化させることで、間食需要を捉えていきたい」と力を込める。

 ミツカングループ(愛知県半田市)は、皮や種などを含めて野菜を丸ごと使った「ZENB VEGE BITES(ゼンブ ベジ バイツ)」を昨年三月から扱う。野菜を濃縮した上で細かくつぶし、果汁やナッツなどと一緒に一口サイズに固めてあり、手軽に食べられる。砂糖や卵を使わず、一袋で一日の野菜目標摂取量の三分の一を使用するのが特徴だ。

 顧客からは「野菜不足解消になってうれしい」「罪悪感なく食べられる」といった反響があるという。担当者は「仕事の最中に健康的なおやつとして食べてもらえるのでは」と期待する。