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【愛知】内定率 県内70%割れ 来春大学・短大卒

2020/12/03

10月末、コロナ影響

 県内の大学や短大を来春卒業予定で、就職を希望する学生の10月末時点の内定率は前年同期比7・6ポイント減の68・9%だったことが、県のまとめで分かった。10月末の内定率が70%を割り込んだのは2015年以来、5年ぶり。(浅井俊典)

 県によると、内定率の低下は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化を受けて企業が採用をやめたり採用人数を減らしたりしていることなどが背景にある。コロナ対策で導入されたオンライン講義の影響で学生が大学に来る機会が減り、内定状況を把握しづらいことも一因という。

 県内の大学47校と短大18校から回答を得た。それによると、就職を希望する約3万9000人のうち、就職が内定したのは約2万7000人。大学の内定率は7・6ポイント減の69・6%だった一方、短大は8・2ポイント減の59・6%と60%を下回り、落ち込みが目立った。

 1994年に調査を始めて以降、10月末時点の内定率の最低は、リーマン・ショック後の10年の47・1%。

 厚生労働省と文部科学省は、全国的な雇用状況の悪化を踏まえ、大学生らの卒業から3年以内は新卒扱いで採用するように企業に求めている。

    ◇

◆高校生は72%
◆愛知労働局調べ

 来春卒業予定で就職を希望する県内の高校生の10月末時点の就職内定率は、前年九月より4・4ポイント低い72・2%だったことが、愛知労働局の調べで分かった。大学生の同時期の内定率より高かったことに、労働局の担当者は「新型コロナウイルスの感染拡大で求人数は減っているものの、県内の製造業などでは高校生の採用を希望する動きが続いている」と分析している。

 調査対象は就職を希望する県内の高校3年生1万824人。採用選考は10月に始まり、同月中に7,812人が内定を得た。

 高校生の求人倍率は2.74倍で、県内の有効求人倍率の2倍以上。求人で最も多かったのは製造業の1万1,854人だが、前年10月比では30・5%減となった。感染拡大の打撃を受ける宿泊業・飲食サービス業の求人は48・2%減の841人だった。

 今年はコロナ禍による一斉休校で高校生の採用選考が例年の9月から1カ月後ろ倒しされたため、内定率は前年9月末を比較対象とした。