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【社会】若年女性 失業率4.7% 8月急増 コロナが非正規直撃

2020/10/29

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で雇用環境が厳しさを増す中、二十五~三十四歳の女性の完全失業率(季節調整値)が八月に4・7%に上昇し、年代別・男女別でみて顕著に悪化したことが二十八日、総務省の労働力調査で分かった。二〇一五年七月以来、約五年ぶりの高水準。不安定な非正規雇用の割合が高く、就業者が多い宿泊業・飲食サービス業がコロナ禍の直撃を受けたためとみられる。

 全体の失業率は、前月比0・1ポイント悪化の3・0%。このうち二十五~三十四歳の女性は、前月と比べ1・0ポイント悪化し、年代別・男女別では最も上昇幅が高かった。

 お茶の水女子大の永瀬伸子教授(労働経済学)は「非正規の単身女性や育児のために仕事を離れた女性が、コロナ禍が長引いて生活に余裕がなくなり職探しせざるを得なくなったためではないか」と分析。希望業種の求人が回復せず就業に至っていないとみる。

 この年代の女性の失業率はことし四月から七月までは3%台で推移していた。一方で同じ年代の男性は四月から六月までは4%台前半に上昇し、七、八月は3%台後半まで回復した。

 一般的に失業率は女性の方が低い傾向がある。八月の失業率は二十五~三十四歳以外の年代は全て男性が女性を上回るか、同じ値だった。専門家の間では「配偶者や親と同居の女性は補助的な非正規の仕事に就く場合が多く、コロナ禍で職を失っても仕事探しをしないためだ」との見方が出ている。