2009/02/06
介護の仕事をしたことがない未経験者を対象にした研修会が4、5の両日、福井市光陽2丁目の県社会福祉センターであった。参加者の中には昨秋からの不況によって仕事を失い、正社員の職を求めて参加した人たちがいた。
「もう、会社の都合で仕事を辞めるのはいやだ」。初日にあった介護保険制度などの説明を最前列で聞いていた無職の中田成信(しげのぶ)さん(33)=坂井市春江町境=が声を絞り出した。
中田さんが2005年から3年3カ月、契約社員として勤めた大手電機メーカーの下請け会社は、昨年9月ごろから仕事が減っていった。同11月には上司に呼び出され、退職を懇願された。周りに迷惑を掛けられないと思い、退職届を出した。「弱い立場から切られていくんですね…」。中田さんは力なく笑った。
大手派遣会社に登録して食いつなぎ、就職活動を始めたが、採用はほとんどなかった。正社員を募集していた介護施設が目に留まった。「これから必要とされる仕事」と思い、今回の研修を受けることにした。
研修では座学のほか、実際に寝たきりの人の衣類の着せ替えや食事、排せつの介助を体験した。講師である現役介護士の話を聞き、額に汗を浮かべながら、パジャマの交換を繰り返し練習した。
「介助は大変だったけど、愛情を持ってやれる仕事だと思った。介護は経験のないままできる仕事なのか、もう少し考えてみます」
◆「現場は人材不足、ぜひ足を運んで」敦賀・鯖江でも
県社会福祉協議会主催で実施された介護未経験者を対象とした研修は今後、鯖江市と敦賀市でも開かれる。
福井市の研修で講師を務めた女性介護士(51)は「介護の現場は本当に人手不足。やる気があれば、ぜひ足を運んでほしい」と話す。
16、17の両日には敦賀市福祉総合センター「あいあいプラザ」で、3月3、4の両日は鯖江市のアイアイ鯖江・健康福祉センターである。
事前に申し込みが必要。申し込み、問い合わせは県介護実習・普及センター=電0776(24)0086=へ。
(増田紗苗)
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