2020/08/20
県が津にシェアリング拠点
一時的「休業者」を移籍
新型コロナウイルス禍で雇用の維持が難しくなっている事業者と、以前から人手不足に陥っている事業者とを橋渡しする「みえ労働力シェアリング支援拠点」が津市内に開設された。設置を進めた県雇用対策課の平子順一課長補佐は「雇用維持や人の確保でお悩みの方に、積極的に活用してほしい」と話す。(上井啓太郎)
コロナの影響で一時的に仕事を休んでいる「休業者」を失業させないための対策は、全国的に大きな課題となっている。県雇用対策課によると、県内でも旅館業や飲食店の従業員で休業者が増えている。一方で、介護施設や農林水産業、物流などでは人手不足が続いているところもある。
県では、双方をつなぎ、在籍出向という形で数カ月~半年程度の「移籍」をしてもらうことが失業を防ぐ解決策につながると判断。六月三十日に「みえ労働力シェアリング支援ポータルサイト」を開設し、人員過剰と人員不足の事業者それぞれの情報を公開してきた。直接のマッチング(橋渡し)支援と事後フォローも必要として、今月十八日から拠点を開設した。
拠点の運営は、県外で観光人材マッチングサービスの経験があるJTBに委託した。拠点では、社会保険労務士らが事業者の相談に対応しながら、雇用状況のアンケートなども行う。
初日に早速、農業法人から相談があったという。JTB三重支店の佐藤佑弥営業担当課長(40)は「労働力の懸け橋として、県の雇用維持に貢献していきたい」と意気込んでいる。
拠点は津市栄町三のMOREビル五階にあり、来年三月三十一日までの予定。開所時間は午前九時半~午後五時半。県内に事業所を持つ企業や個人事業主が相談できる。無料。土日と祝日は休み。(問)同拠点=059(221)5880
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雇用調整助成金 申請が増加
コロナ影響分だけで8320件
総務省によると、全国では六月時点で休業者が二百三十六万人おり、一年前と比べて九十万人増えている。
企業が従業員を休ませる場合に払う休業手当について国が補助する「雇用調整助成金」を巡っては、新型コロナウイルスの対策として支給要件が拡充されている。
三重労働局によると、県内の本年度の申請は十八日現在、コロナの影響分だけで八千三百二十件に上る。二〇一八年度は年間の全体で百三十四件だっただけに、事業の休止や縮小を余儀なくされた事業者の多さを物語る。
また、新型コロナウイルスの影響で労働局とハローワークへ休業・解雇に関する相談をした事業所の数は、十四日までに二千六百五十九となっている。
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