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【三重】コロナと闘う/障害者の就職率 過去8年で最悪 19年度 三重労働局まとめ

2020/06/30

米中摩擦で製造業 外出自粛で飲食業  コロナと闘う

 三重労働局がまとめた2019年度の障害者の職業紹介状況によると、新規で求職を申し込んだ3331件のうち、就職に至ったのは1674件だった。就職率は50・3%で、前年度比4・8ポイント低下。全国平均の46・2%は上回ったが、米中の貿易摩擦に新型コロナウイルスの影響が加わり、12年度からの八年間で最も悪かった。(斎藤雄介)

 労働局によると、米中摩擦による先行きの不透明感から、同年5月ごろから製造業などで新規求人の動きが鈍化。ことし1月以降は新型コロナによる外出控えなどで飲食業やサービス業などが苦境に陥った。

 こうした業種を希望する障害者も多く、就職先の産業別では製造業が257件、サービス業が169件に上った。最多は医療・福祉の679件で全体の40・6%を占めた。

 障害の種別では、身体、知的の就職件数が共に10%以上減ったのに対し、精神障害がある人は6・2%増えた。ストレス社会などを背景に、精神障害の認定自体が増えていることなどが要因とみられる。

 解雇件数は29件と、前年度の3倍超に増えた。景気悪化による企業側の事業廃止や事業規模の縮小が響いた。

 新型コロナの経済への影響について、労働局の担当者は「雇用調整助成金などで事業者が耐えている現状があるが、長引けば注意が必要だ」とみている。