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【社会】フリーの労災対象拡大へ 政府 多様な働き方で保護強化

2020/06/24

 政府は23日、個人事業主などフリーランスで働く人を保護するため、労災保険に加入できるよう制度を改正する方針を固めた。現在例外的に加入できる人もいるが、対象を拡大する。25日に開く全世代型社会保障検討会議の中間報告に明記する。政府は多様な働き方としてフリーランスを推進しており、仕事でけがや病気になった場合でも公的な補償を受けられるようにする。

 フリーランスで働く人を巡っては、新型コロナウイルスの感染拡大を受け補償など法的保護が不十分な実態が浮き彫りになり、改善を求める声が高まっている。政府試算では、フリーランスは462万人に上る。

 労災保険は原則企業などに雇われた人が対象。フリーランスのような自営業者でも労働者と似た働き方をしていると認められる場合、例外的に「特別加入制度」が設けられている。現在は個人タクシーの運転手や建設現場の一人親方などの職種に限られている。

 政府が25日にまとめる全世代型社会保障検討会議の2回目の中間報告に「フリーランスとして働く人の保護のため労災保険のさらなる活用を図るべく、特別加入制度の対象拡大等について検討する」と盛り込む。厚生労働省が今後、制度の詳細を設計して省令を改正する方針だ。

◆芸術・文化支援 大道芸なども
◆来月から最大20万円

 文化庁は23日、新型コロナウイルス感染拡大を受けた芸術・文化支援の詳細を発表した。フリーランスの芸術家やスタッフに最大20万円を支給する事業は、大道芸やサーカス、ディスクジョッキー(DJ)なども幅広く対象とする。7月上旬からインターネットでも申請を受け付け、1~2週間後の支払いを目指す。

 イベント自粛で通常の公演ができず、収入が減ったプロの演奏家や技術スタッフに給付する。インターネットや放送で動画を配信するユーチューバーなどは含まない。

 音楽や演劇などに加え漫才、華道、写真、囲碁なども想定。担当者は「文化・芸術に関わるほぼ全てをカバーしたい」と説明している。

 申請には、プロとしての活動を証明できる書類と、稽古代や資料代といった経費の領収書などを提出する。安倍晋三首相が全国的なイベント自粛を要請した2月26日から10月末までの活動費を支援する。

 新型コロナ対策を施したイベントや、動画配信を企画する個人や団体(おおむね20人以下)に最大150万円を補助する制度も、7月上旬から申請を受け付ける。