2020/06/03
コロナ収束 心待ち
日進市折戸町で今年オープンした障害のある人たちの就労継続支援B型事業所「セブンス・ファクトリー」は、新型コロナウイルスの影響で、屋内作業ができずにいる。だが利用者たちは、果樹を育てるビニールハウスなどで農作業に汗を流し、こつこつと仕事を学んでいる。
同事業所代表の真柄文子さんは、カフェ「あんこ椿(つばき)」(同市蟹甲町)を経営し、どぶろくとワインの酒造免許を持つ。果実酒づくりのための果樹栽培や食品加工、調理、キッチンカーでの弁当販売など幅広い仕事が提供できる事業所として、1月にオープンした。
しかし感染症拡大で利用者はなかなか集まらず、20人の定員に対し現在は8人が登録。約900平方メートルの農地に約25メートルのビニールハウス2つを作り、ブドウやビワ、リンゴなど約20種類の果樹を育てたり、田んぼの草取りをするなど、屋外作業のみ行っている。
ただ、屋外作業といっても、種まきから生育の記録、水やり、肥料、道具の整備など仕事は多種多様。ハウスの前に芝生広場を作るため石拾いもする。東郷町から通う男性(21)は「いろいろな作業があって体が動かせるのでいい。早く苗が育って、お客さんにおいしいと言ってもらいたい」と笑顔で話す。別の利用者の保護者は「40歳まで1回も言ったことのない、楽しいという言葉を言った」と驚いていたという。
感染症が収束すれば、屋内作業もできるようになる。真柄さんは、生き生きと仕事をする利用者の姿に目を細めながらも、「業務用ジャムの加工方法やお弁当の調理などいろいろ経験を積ませてあげたい」と話していた。(平木友見子)
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