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【社会】大企業若手1400人調査 在宅勤務 95%が定着希望

2020/05/10

押印や通信環境… 「改善を」8割 

 大手企業の社員でつくる有志団体「ONE JAPAN」が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う働き方の変化を若手社員らにアンケートしたところ、全体の9割が何らかの形で在宅勤務やテレワークを実施していると答えた。新型コロナを機に初めて実践した人は約半数。全体の95%が今後も制度の定着を希望しており、大企業の社員の働き方に大きな変化が起きていることが浮き彫りになった。(鈴木龍司)

 ◇ ◇ ◇

 一方、通信環境や職場の意識など課題があると回答した人も8割以上に上り、団体のメンバーは職場での改善や企業などへの情報発信を進める。

 調査は4月中旬、団体のメンバーが所属するトヨタ自動車やNTTグループ、パナソニックなど大企業54社を対象にインターネットで実施。営業や企画、経営、開発、製造部門などで働く20~30代を中心に1406人から回答を得た。

 在宅勤務やテレワーク、リモートワークには97%が賛成し、理由は感染リスクの低減や通勤時間、無駄な会議の削減、家庭との両立が目立った。会社側から「推奨されていない」「推奨されたが実施できていない」は約一割にとどまり、大企業での導入が進んでいる実態が浮かび上がった。

 また、在宅勤務などに課題や支障があるとの回答は81%に上り、通信環境の不十分さやコミュニケーションの負担増、一体感の欠如、勤務時間管理の難しさなどが上位を占めた。「書類に押印する必要があり、上司の承認・決裁が取りにくい」「上司がしていないからやりづらい」など、職場の慣例や意識を課題に挙げる声も多かった。

 在宅勤務などの定着に欠かせない仕事の生産性については「とても上がった」と「上がった」が計32%。「とても下がった」と「下がった」が計31%、「変わらない」は37%に上り、課題解消の必要性が裏付けられる形になった。

 ONE JAPANのアンケート担当者は「在宅勤務の定着にはネットインフラやはんこに象徴される慣習といった課題を解決し、生産性を向上させることが必要」と指摘。「子育て、介護との両立や人材確保を考えると、新型コロナへの一時的な対応ではなく、柔軟に働き方を選択できるようにすることが企業の持続可能性につながる」と話している。