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【三重】県警採用 ネット駆使 説明会中止でユーチューブ投稿

2020/03/19

 県警は、来春に採用を予定する大卒程度の警察官採用試験の申し込みを受け付けている。民間企業の採用拡大で人材確保が厳しさを増す中、新型コロナウイルス感染症の拡大で説明会を中止するなど採用活動は逆風に立たされている。県警はホームページや会員制交流サイト(SNS)を駆使し、就活生に働き掛けていく。(斉藤和音)

 県警は近年、警察学校のオープンキャンパスや就職説明会で、指紋採取などの鑑識活動、サイバーパトロール、交通事故現場でのフィールドワークといった職場体験に力を入れてきた。ともに今月下旬に開く予定だったが、中止となった。

 「通常の採用活動ができない事態はこれまでになかった。この先どうなるかが読めないが、厳しい採用活動になると思う」。採用担当者は危機感を募らせる。

 県警によると、民間企業や別の官公庁との競争激化で、警察官の志願者は減少傾向にある。2019年度の受験者は433人で、8年前の4割ほど。7倍だった倍率も3・9倍まで落ち込んだ。近年は内定者の辞退も相次いでいる。

 説明会の中止で学生と会う機会が減る中、県警は、オープンキャンパスで使う予定だった業務内容を紹介する資料をホームページで公開中。動画投稿サイト「ユーチューブ」では、若手警察官らが仕事のやりがいや後輩へのメッセージを伝えている。

 採用の枠を広げるため、32歳だった年齢上限は35歳に引き上げた。担当者は「現職の警察官の生の声を届けられないのは残念だが、1人でも多くの人に関心を持ってもらえるように取り組んでいきたい」と話している。

 受け付けは4月15日まで。1次試験は5月10日、2次試験は6月中旬~7月上旬。(問)警務課採用係=059(222)0110