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【岐阜】子連れ出勤 企業にノウハウ

2020/03/06

岐阜の一般社団法人 インスタなどで呼び掛け

 今こそカンガルー出勤を! 子連れ出社導入のノウハウ無料で伝えます-。新型コロナウイルスの感染拡大で学校が一斉休校になったのを受け、一般社団法人「ウーマンエンパワーメントプラットフォーム」(岐阜市)が、子連れ出勤をインスタグラムなどで呼び掛けている。(秋田佐和子)

 同法人は、同市の建築業「三承工業」ダイバーシティ推進室長の寺田有希実さん(50)ら5人が昨年10月に設立した。寺田さんは同社で2013年、子連れで出勤する「カンガルー出勤」の第1号だった。当時の従業員25人のうち女性は2人。子育てとの両立は無理だと考え、出産を機に退職するつもりでいた。

 しかし離職者の多さに悩んでいた西岡徹人社長が風土改革を実施。寺田さんのためにキッズスペースを作り、カンガルー出勤を奨励した。ノー残業デーや有給休暇取得率の向上に取り組むと子育て中の女性社員が増加。女性目線を業務に取り入れたことで客層も広がり、業績も上がった。

 現在は従業員も58人と2倍以上に。その半数以上が女性だという。男女10人程度がカンガルー出勤を取り入れる。寺田さんは「子育て中の社員が増えるほどチームで成果を上げられる。いいことばかりだった」と言う。

 ただ、経験のない中小企業が採用するにはハードルが高い。「社員やスタッフの子を会社でどう受け入れたらいいか」といったノウハウを知りたい企業に体験談を伝授したいと考えた。

 寺田さんの長男で小学1年生の優君(7つ)は就学前、毎日のようにキッズスペースを利用していた。学校が休校になった今、3日から再び通う。「休校って聞いても、お母さんの会社に行けるって分かってたから全然不安にならなかった」と笑みをこぼす。

 寺田さんは「こういうときこそ教育現場だけに頼るのではなく、企業も柔軟な対応を取り入れていけるといいと思う」と話す。(問)ウーマンエンパワーメントプラットホーム事務局=058(215)1161

キッズスペースを備えた室内。カンガルー出勤をした従業員は、キッズスペースのそばにある机にパソコンを持ち込んで作業する=岐阜市水主町で
キッズスペースを備えた室内。カンガルー出勤をした従業員は、キッズスペースのそばにある机にパソコンを持ち込んで作業する=岐阜市水主町で