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【社会】四日市市、コスト減へ実証実験 嘱託選考「AI面接官」

2020/01/04

質問に特化 スマホアプリで

 三重県四日市市は今月から、嘱託職員の選考面接で人工知能を活用した「AI面接官」の実証実験に乗り出す。タブレット端末やスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、端末から発せられるAIが作成した質問に対象者が答える形式。地方公務員の働き方改革が求められる中、面接官となる市職員の労働時間の短縮と負担軽減を見据える。サービスを提供する民間会社によると、職員の面接でAIを導入している自治体はないという。(高島碧)

 実証実験の対象となるのは2020年度に市教委が採用する小中学校用務員55人。市は面接に必要なIDを対象者に渡し、対象者は自身のタブレットやスマホにIDを入力してアプリを開く。顔の前に端末の画面をかざすと、画面の隅に対象者の顔が表示され、音声で質問が発せられ、対象者が答える。面接時間は15分。時間や場所を限定せず、特定の期間内にいつでも面接を受けられる。

 質問は、あらかじめ市が指定した能力を測ることができる内容となる。例えば対人能力では「仕事仲間に働き掛けて何をしてきたか」や、リーダーシップだと「自分のアイデアを織り交ぜてどんな仕事をしてきたか」などを尋ねる。

 市は昨年11月、AI面接官のノウハウがある「タレントアンドアセスメント」(東京)と契約。同社によると、AIは1500人分の面接の会話パターンを蓄積し、「課題に対してどう行動したのか」を引き出せるまで繰り返し質問する。AIは質問に特化し、回答内容の評価は専門的な研修を受けた同社のスタッフが担う。能力別に10点満点で採点し、回答を文字で起こした文章とともに、面接期間終了から数日後に結果が書類で市役所に届く。面接を録画した動画も確認できる。

 背景には、4月から始まる会計年度任用職員制度がある。制度では自治体の非正規職員の待遇改善を目指して地方自治法などを改正。同市では4月までに学校用務員ら嘱託職員240人を対象に会計年度任用職員に選任する必要が生じ、その際に面接をしなければならない。全嘱託職員を対象にすると、面接業務に225時間を要するとの試算があり、コストの削減が課題だった。市人事課の担当者は「AIを利用することで対象者を客観的に見ることができ、専門的な見地から質問もできる」とも期待する。

    ◇

◆店長の負担減 吉野家も
◆全国124社で導入

 タレントアンドアセスメントによると、昨年12月25日現在で「AI面接官」のサービスを導入しているのは全国124社ある。業種は金融や福祉、大学とさまざま。

 同社の広報担当者は「今後も人口減で売り手市場は続く。企業は社員の内定辞退を防ぎ、入社後も離職率を下げるため社員教育などにかけるコストは上がっている」と説明。「AI面接官は企業に合う人材を的確に判断し、入社後の配属に活用できる」という。

 牛丼チェーンの吉野家は、2018年11月に神奈川県内で試験的に導入し、19年4月から東京、千葉、埼玉を加えて首都圏でアルバイトの採用に使う。人手不足の中、店長が応募者と面接日を調整するのが大きな負担となっていた。

 同社ではAIと通常の面接の2択から選ぶことができ、広報担当者は「AI面接はホームページでしか紹介しておらず、まだ実施した数は多くない」と話す。AI面接の合格率は約58%という。導入の利点については「採用担当者の好みに左右されずに判断できるのが良い」と話している。