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【社会】就職支援「考える余裕なんてない」氷河期 世代冷たい視線

2019/12/15

 1990年代初頭のバブル崩壊後に就職難や非正規労働の拡大に直面した「就職氷河期世代」への官民の支援が動きだした。収入が不安定なまま働いている30代半ばから40代半ばの人が老後を迎える時期に、年金がなかったり、生活保護に頼る人が激増すると指摘されている。国は氷河期世代の集中支援に乗り出す方針だが、打ちひしがれた当事者らは「どれだけ効果があるのか」と冷静に受け止めている。(今村節)

 今月5日、名古屋市内で開かれた氷河期世代向けの合同企業説明会。愛知、三重両県のハローワークが初めて企画し、製造業や警備会社など24社のブースに、計百96人の求職者が詰め掛けた。

 その1人、名古屋市に住む男性(45)が新卒で就職活動をしたのは、1995年末、大学3年の時だ。多くの企業が人件費を削るために新規採用を抑えていた「超氷河期」の時期。営業希望の男性は面接を何十社も受けた末、食品卸会社からようやく内定をもらった。

 しかし、上司からいじめられ、2年後に会社を辞めた。再就職先は廃業。配送、駐車場管理会社など計7社を転職し、今は量販店の非正規のレジ係として働いている。時給は1200円前後。今夏のボーナスは1万円、冬は8万円だった。

 正社員の職を求めて、この3年間で100社ほど面接を受けた。就活イベントにも足を運んでいるが、隣に座った20代が持っているパンフレットが自分には渡されないことがある。採用担当者から「上司が年下でも大丈夫?」「うちの会社は平成生まれが多いですよ」などと言われると、遠回しに拒まれていると感じる。

 国は就職氷河期世代の支援に3年間で600億円を投じる方針だが、厳しい現実を知る男性は「雇用が広がるとは思えない」と懐疑的だ。「大学までは順調に来て、こんな人生を歩むとは。生まれた時代が悪かったし、運命だと思うしかない」と自分に言い聞かせる。

 不安定な雇用に翻弄(ほんろう)され続け、気力を失っている人も少なくない。製造業の派遣社員として働く名古屋市内の男性(47)も、90年代中ごろに就職活動をした1人。大学卒業後に勤めた会社を辞めてから約20年、正社員には戻れていない。

 仕事は日給制で、1人暮らしの家賃と生活費で精いっぱい。「派遣をずっとしていると1週間先さえ見えず、再就職など将来を考える余裕はない」と話し、非正規労働の待遇改善が先決だと訴えた。

 一方、2007年に市民団体「氷河期世代ユニオン」を設立した小島鉄也さん(44)=愛知県豊川市=は「景気が悪い時期に就職が重なった人は『不運』では片付けられない。国に続き、企業の中途採用が進むのでは」と、支援の拡大を好意的に受け止めている。

会社説明会などのチラシを手にする男性。3年間で100社ほど面接を受けた=いずれも12日、名古屋市内で
会社説明会などのチラシを手にする男性。3年間で100社ほど面接を受けた=いずれも12日、名古屋市内で