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【社会】中部電気保安協会 女性5% 「おっさん職場」 変えねば

2019/12/03

テレワーク推進 管理職 意識改革

 電気設備の保安点検を手掛け、従業員の男性比率が約95%に達する中部電気保安協会(名古屋市)が、女性が働きやすい職場づくりに本腰を入れ始めた。人手不足に悩まされる中、ITを駆使した「テレワーク」の推進などで女性従業員の獲得につなげる。典型的な「男の職場」にも働き方改革の波が押し寄せている。(伊藤弘喜)

 「異常なし」。名古屋市内のビル屋上に設置された変圧設備の扉を開け、同協会の保安技師、関ひかるさん(28)が、電気の漏えいを感知する機器をかざしながら故障の予兆がないか確認していた。

 同協会はビルのオーナーから委託を受け、電気設備を定期的に点検している。中部電力が国と連携し、1965年に財団法人として設立された。全従業員2千188人のうち、女性は122人でわずか5・6%。全国企業の平均24・9%(帝国データバンク調べ)に比べ大幅に少ない。現場で厳しい仕事をこなす技術者は、1600人のうち女性は5人にすぎない。

 建物にエレベーターがない場合、重さ30キロの機材を階段で運ぶ。深夜、早朝の作業も多く、電気を扱う危険も伴う。関さんは「体力的にきついが、仕事内容に不満はない」と語る一方で、相談や愚痴を言える女性の同僚はごく限られており「もっと女性の仲間が増えれば」と願う。

 伸び続ける保安の需要を獲得するには、女性従業員の増加は不可欠だ。そこで今年1月、女性だけでつくる作業部会を新設。本店や支店の代表ら7人が半年間、毎月集まり課題を議論。事務系女性職員108人にアンケートを実施したところ「上司に相談したくても『事務のことは知らない』と放っておかれる」「女性事務職を尊重してくれない」などの不満が寄せられた。

 部会は10月、こうした要望をまとめて会社側に提出。来年4月以降、職場に順次、テレワーク制度を導入することが決まった。その他、管理職の意識改革、事務系女性職員の職域拡大なども求めている。

 植地(うえじ)修也・経営戦略グループ長(58)は「前向きに受け止めたい。『昭和のおっさん』のやり方では通用しない。女性もやりがいを持って働ける職場になれば、全体の生産性も上がる」と話している。

    ◇

◆技術者4000人不足 2045年試算

 電気設備の保安点検は、太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電所、ビルが増えるにつれ、需要が伸びている。一方、業務を担う電気主任技術者は少子高齢化で減ると見込まれる。2045年には1万8000人の技術者が必要とされるのに対し、約4000人が不足するとの試算もある。

 人口減少以外にも、仕事の認知度不足が人手不足の背景にある。電気主任技術者に仕事を知ったきっかけを聞いた17年度のアンケートでは「親族ら身近に関係者がいたから」が36%でトップ。「就職活動」は22%にとどまった。

 学生向けの情報発信を強化しようと、日本電気協会など7団体でつくる協議会は、月内に若者向けウェブサイトを立ち上げ、ツイッターやインスタグラムで誘導する取り組みを始める。

電気設備を点検する関ひかるさん=名古屋市天白区で
電気設備を点検する関ひかるさん=名古屋市天白区で