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【三重】みえ経済 66歳以上が働ける県内企業35.2%

2019/11/28

高齢者雇用 進む制度整備
企業 人手不足 従業員 生きがい

 66歳以上の高齢者が働ける制度のある県内企業の割合が前年比2・9ポイント増の35・2%となったことが、三重労働局の集計で分かった。都道府県別では12位だった。地方の人手不足を背景に、高齢人材の能力を生かそうと雇用制度の拡充を進める企業が増えている。(須江政仁)

 県内の従業員31人以上の中小企業1936社と、301人以上の大企業149社の計2085社からの報告に基づき、6月1日時点の高齢者の雇用状況を集計した。

 66歳以上が働ける制度のある企業は、78社増の734社。このうち社内基準に該当する従業員を継続雇用する制度を持つのが285社と最も多かった。70歳以上が働ける企業の割合も2・7ポイント増の33・2%だった。

 増加分のうち、中小企業が大部分を占めた。県内で人手不足が深刻化している影響とみられ、担当者は「大手企業に比べ人材の確保が難しい。新規採用が進まない中、改めて教育する必要のない習熟した高齢従業員を引き続き雇用する流れがある」と分析する。

 定年年齢の引き上げや定年後の継続雇用などで、従業員が65歳まで働ける「高年齢者雇用確保措置」については、昨年に引き続き全社で実施していた。

 定年を65歳とする企業は全体の17・7%、66~69歳が1・0%、70歳以上が2・0%。定年制廃止は3・3%で、いずれも微増だった。

 中小企業で働く65歳以上の人は1691人増の1万8657人となり、増加傾向にある。

 担当者は「雇用側が抱える人材不足だけでなく、健康寿命が延び、生きがいとして働きたいと考える高齢者が増えている。雇用側と高齢従業員の思惑が一致したことも、高齢者雇用の制度整備が進む一因になっている」と話している。