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【社説】先生の働き方 まずは業務の削減から

2019/10/25

 教員の勤務時間を年単位で調整することを可能にする法案が今国会で審議される。長時間労働が本当に改善されるのか、現場の疑念は強い。まずは教員が抱えすぎている業務の削減が必要だ。

 長時間労働が深刻となり、子どもの未来を育む仕事の魅力がかすんでしまっているのではないか。教員採用試験の競争倍率の低下や教員不足の現状を見るにつけ、懸念が膨らむ。

 国が働き方改革の一つの方向性として打ち出しているのが「変形労働時間制」だ。忙しい時期の勤務時間を延長した分、夏休みなどに休みをまとめ取りできるようにする。そう国は説明する。

 教職員給与特別措置法(給特法)を今国会で改正し、二〇二一年四月から自治体の判断で導入可能にすることを目指す。残業時間の上限を月四十五時間とする指針も法的に位置付ける。

 しかし教員からは夏休みも研修などがあってまとめ取りは難しいと批判の声が上がる。根底には国の方針で教員の仕事が増える一方だったことへの不信感がある。教える内容は増え、事務作業も煩雑となっている。業務削減の道筋を明確にすることが先決だ。

 小学校では長時間労働を是正できない根幹に学級担任制があり、中央教育審議会は高学年を教科担任制にすることなどを議論している。外部の人材が活躍しやすい免許制度も含め、早期の実現を目指すべきだ。

 中学校は部活だ。地域や外部指導員に助力を仰ぐとともに、生徒主体で改革の道筋を考えてみてはどうか。ラグビー強豪校の静岡聖光学院高校は、密度が濃い時短部活の実現に向け生徒が話し合う「部活動サミット」を開催している。公立中学校の参加や参加校以外の問いあわせもあり、練習日削減にもつながっているという。

 タイムカードなどによる在校時間の把握は四割にとどまる。実態把握が改革の第一歩であり、早急に全校で実施すべきだ。過労死した教員の遺族からは、外部の相談窓口の開設を求める声もある。神戸市の教員間のいじめなどから透ける学校の閉鎖性を考えれば、検討に値するのではないか。

 給特法が残業代を想定していないことが、学校が労働時間を管理してこなかった背景にはある。教員や、部活動指導員など支える人たちの増員には教育投資を手厚くしていく必要がある。疲弊した現場を救うため、国会には根本に踏み込んだ議論を望みたい。