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【社会】65歳以上就労862万人 就業者の12.9%人口比も最高更新

2019/09/16

 総務省が15日発表した人口推計によると、65歳以上の高齢者は同日時点で前年より32万人多い3588万人、総人口に占める割合は0・3ポイント増の28・4%と、いずれも過去最高を更新した。16日の敬老の日を前に集計した。2018年に仕事に就いていた65歳以上は最多の862万人。就業者全体の12・9%で、空前の人手不足を支える重要な戦力になっている。

 世界的にみると、65歳以上の割合は2位のイタリア(23・0%)、3位のポルトガル(22・4%)を引き離し、突出して高齢化が進んでいる。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇し、25年に30・0%、40年には35・3%に達する。社会保障制度の見直し、買い物や移動といった生活の支援拡充が急務だ。

 推計は15年の国勢調査を基に、その後の出生・死亡者数、出入国者数を反映させた。総人口は1億2617万人で、うち65歳以上は男性が1560万人、女性は2028万人だった。

 年齢区分別は70歳以上が2715万人で前年から98万人増えた。団塊の世代(1947~49年生まれ)が含まれ、ほかの年齢区分に比べ増加数が多かった。80歳以上は1125万人、90歳以上は231万人、100歳以上は7万人いた。

 一方、18年の労働力調査によると、65歳以上の就業者は15年連続で増加。男性は512万人(就業率33・2%)、女性は350万人(17・4%)。

 年齢別の就業率は65~69歳が46・6%、70~74歳30・2%、75歳以上9・8%。産業別にみると卸売・小売業が127万人と最多だった。農業・林業が107万人で続き、就業者全体に占める高齢者の割合は51・0%と突出していた。