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【暮らし】注目集めるパパカード イクメンの不安や悩み解消

2019/07/26

 共働き世帯が増え、積極的に子育てに関わる男性が増えている。一方で、育児に伴うストレスや悩みをため込む人も少なくない。そうした中、今年4月、「お父さんも自分を大事にしよう」と呼び掛ける冊子が登場した。名付けて「パパカード」。父親としての心構えやストレス解消法などメンタル面に着目した内容が注目を集めている。

 東京都内の人材サービス会社で働く男性(30)は、同じ会社に勤める妻(32)と、2歳、生後7カ月の息子2人と暮らす。次男が生まれた時は1カ月間、時短勤務にしたほか、今は長男の朝の準備と保育園への送りを担当。妻と分担しながら、育児を担っている。

 昔から子ども好きだ。けれど、いら立つ時もある。例えば、長男がパジャマから着替えるのを泣いて嫌がる時。感情に火が付いて、言うことを全く聞かない。普段は冷静だが、仕事などでストレスがたまっていると心穏やかでいられない。「手をあげたことはないが、そうする親の気持ちが分かることもある」

 父親の育児参加を説くマニュアル本の増加や両親教室の浸透などで、妻と協力して子育てを担う男性は多い。しかし、育児にまつわる男性の悩みやストレスには、それほど目が向けられていないのが現状だ。

 パパカードを作ったのは全国の看護師でつくる日本精神科看護協会(東京)。これから父親になる人、新たに父親になった人が対象だ。もとになったのは、家庭内暴力(DV)の被害者を支援するフィンランドの団体が開発したリーフレットで、働き方など日本の実情に合わせて作成した。

 パパカードは「お父さんになるんですね。おめでとう!」「お父さん、一緒にお話しましょう」「お父さんも自分を大事にしよう」「子どもの安全と安心のために」の4種類。いずれもA5判大で八ページからなる。

 カードには「どのようなお父さんになりたいですか?」「お父さんになることについて話ができる人は誰ですか?」など、少しずつ心の準備ができる問い掛けがつづられている。出産を待つ中で、あるいは子どもと向き合う中で、焦ったり無力感を覚えたりすることもあるだろう。そうした時に響くのは「子どもは、完璧なお父さんが必要なわけではありません」といったアドバイスだ。

 一方、子どもがくっついて離れない、泣きやまない-など、育児ストレスを招きやすい場面も具体的に例示。「定期的に運動をしていますか?」「話を聞いてくれる人はいますか?」といった心や体のチェックリストを挙げた上で、頑張りすぎないよう「子どもや家族から少しだけ離れて、環境を変えてみることも、ときには大切です」と優しく寄り添う言葉もある。ストレス解消のために酒を飲む人もいるが、過度の飲酒は子どもとの信頼関係に悪影響を与えると指摘。酒を飲むよりは、専門家などと話すことを勧めている。

 父親の心が安定した状態での育児は子どもに安心感を与え、児童虐待の予防にもつながると協会は期待する。業務執行理事の草地仁史さん(43)は「カードを使って夫婦で話したり自分の行動を振り返ったりすることが、自覚していなかったストレスや不安を認知するきっかけになる」と話す。

 JA高知病院(高知県)は今月から、パパカードを使い、出産を控えた女性の夫に対し、父親になる気持ちの準備を手伝い始めた。副院長の松永智香さん(57)は「お父さんの気持ちが楽になれば、お母さんと子どもにもよい環境になることが期待できる」と説明する。静岡県清水町は今後、母子手帳と一緒にカードを配る予定だ。

 カードは協会のホームページからダウンロードできる。

 (寺本康弘)

日本精神科看護協会が作った冊子「パパカード」
日本精神科看護協会が作った冊子「パパカード」