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【暮らし】「育休明け復帰」乗り切るには

2019/06/21

 子どもの保育園入園に合わせ、今春、職場復帰した女性にとって、この時期は心身ともに疲れが出やすい。久しぶりの仕事に加え、家庭のこともこなすのはかなりの負担だ。だからこそ、家事や育児を夫とシェアすることが大事だが、具体的に何をすればいいかが分からない男性も多い。そうした夫を動かすには、夫婦間でしっかり取り決めをすることが鍵だ。

 愛知県内に住む美容師の女性(33)が長女を出産したのは2015年。10カ月間の育休後、時短勤務で職場に戻った。働きながら食事の準備や洗濯、保育園の送り迎え、寝かしつけなどをするのは予想以上に大変。「くたくたに疲れ、すぐ手が回らなくなった」と言う。

 カメラマンの夫(41)は、もともとやっていた皿洗いや掃除は続けていた。しかし、授乳や寝かしつけは任せきりで、子どもが生まれたことで増えた仕事は目に入らないよう。女性は育児の負担を共有したかったが我慢してしまった。「私は時短勤務で、夫はフルタイム」という遠慮があった。

 総務省が16年、6歳未満の子どものいる共働き世帯の父親約6千人に聞いたところ、育児を週平均15分以上する人は約3割、家事も2割。今時、「男は仕事、女は家庭」などと言う男性は減っているが、父親の子育てを支援するNPO法人ファザーリング・ジャパン理事の塚越学さん(43)は「もとからやる人はますます積極的になる半面、やらない人はそのまま」。

 妻が産休や育休を取っている間に、「家庭内の仕事は妻がやるのが普通」という感覚に陥ってしまうのが、夫がやらない原因の一つ。加えて、妻が育児に慣れていくのに伴い、「自分はあんなふうにうまくできないから」と言い訳をしやすい雰囲気もできあがる。

 大事なのは変な遠慮をせず、話し合って分担を決めることだ。最低限任せるべきことの一つとして、育休後コンサルタントの山口理栄さん(58)が挙げるのは、保育園の送り迎えだ。「出勤前や退社時にバタバタすると、仕事に集中できない」。それは、自分だけが損をしているという不満に結びつきやすい。「送迎のどちらかを担当するだけでも妻の負担は減る」と話す。

 もう一つは、子どもが熱を出した時などの第一連絡先を夫にすること。「夫が連絡を受けてもうまく対応できない」と妻の連絡先を伝える人も多いが、それだといつまでも夫の意識は変わらない。「夫がすぐ動けず、妻が迎えに行くことになっても、子どもに何があったかは伝わる。翌日以降の夫婦の態勢も相談しやすくなる」のが利点だ。

 一方、塚越さんが勧めるのは「パラレル(平行)家事」という考え方。「朝食を作らない方が、子どもの着替えを手伝う」「部屋の掃除をしていない方がトイレ掃除をする」など、公平に家事、育児をするという意味だ。洗濯は「干す」までを指すのか、「決まった場所に納める」までかなど、分担の中身について具体的にすり合わせておくことも、もめないこつという。

 女性がスムーズに職場復帰するには、夫の役割が不可欠という認識は企業にも広がる。花王グループや味の素は、復帰が近い女性社員向けに、夫と一緒に出られるセミナーを開催。夫婦の役割分担について講義している。理想は、妻が復帰する時点で夫が育休を取って家事や育児を担うことだが、男性の育休取得率は17年度で5%。そこで、三菱UFJ銀行は5月から、2歳未満の子供を持つ男性行員に、約1カ月の育休取得を事実上義務付けた。

 夫婦が互いにイライラせずに仕事と家庭を両立することは、子どもの成長にとってもいい。思いやりを持って乗り切りたい。

 (添田隆典)