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【社会】高卒後の進学 狭い道 養護施設の生徒 64%が就職選択 中部9県 本紙調査

2019/03/25

 中部地方の児童養護1施設で生活し、この春に高校を卒業した若者の6割強が就職の道を選び、進学を大きく上回っていることが、中日新聞社が施設を対象に実施したアンケートで分かった。高卒者全体で7割が進学している中、児童養護施設出身者は親の支援を見込めないことなどから、将来の選択肢が狭められている現状がうかがえた。(細井卓也、斎藤雄介)

 ◇ ◇ ◇

 愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀、石川、富山、静岡各県の計104施設を対象に2月に実施。91施設から回答を得た。

 高校卒業予定の217人のうち、27%の59人が大学や専修学校に進学するのに対し、アルバイトを含む就職は64%、140人。就職のうち2割は、作業所などで支援を受けながら働く福祉的就労や障害者雇用枠での採用だった。18人は、進路未定など「その他」と回答した。

 2018年度の文部科学省の調査では、高校卒業者約106万人に対し、進学は70%、75万人に上り、施設からの進学率の低さが際立っている。

 就職先は、自動車部品メーカーや食品工場など「製造業」が4割近くを占める。続く「サービス業」はホテルや理美容店など接客の職種が多く、「医療・福祉」では人手不足が著しい介護、福祉施設が目立った。

 就職先を決めた理由(複数回答)は、「施設の職員や学校の先生に勧められた」が59%と最多。「やりたい仕事だった」が36%、「寮や借り上げ住宅がある」31%。

 施設にいられるのは原則18歳未満。退所した後の生活拠点を尋ねたところ、会社の寮や学生寮などが最も多く38%。自己契約の賃貸物件が27%、実家や親戚宅が13%と続いた。

 社会的養護に詳しい全国児童養護施設協議会の協議員、平井誠敏さん(58)=名古屋市昭和区=は「施設にいる間は守られるが『出口』が問題となる。進学しても学費、生活費の心配をしなくてはならない。就職でも住居、身元保証人の確保が仕事選びの壁となる。何らかの障害がある子どもも多く、高校中退のケースを含め、施設を出た後の支援に力を入れる必要がある」と話している。

(メモ)

 児童養護施設 児童福祉法に基づき、親の不在や虐待、貧困などの理由により家庭で暮らすことができない子どもを児童指導員や保育士らが育てる施設。原則18歳未満の子が対象。必要に応じて20歳未満まで入所を続けられるが、高校卒業とともに退所するケースが多い。厚生労働省によると、2018年3月末現在で全国に605の施設があり、2万5282人が入所している。