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【暮らし】社会人1年生の離職防げ 専門家が勧める3つのコツ

2019/03/18

 間もなく4月。今年も大勢の社会人1年生が誕生する。だが、せっかく職を得たのに、厚生労働省の調査によると、大卒新入社員の3人に3人が3年以内に離職しているのが現実だ。新入社員をうまく指導して、離職を防ぐ手だてはないか。「リーダーのための!コーチングスキル」(すばる舎)の著書がある谷益美さん(45)に聞いた。

 ◇ ◇ ◇

◆事前に対話を

 まず離職の原因として指摘したのは、学生が就職活動中に受けていた説明と入社してからのギャップだ。学生優位の「売り手市場」が続く就職戦線。どの企業も、優秀な人材を確保しようと躍起だ。「当然、企業は『うちはこんなに良い会社ですよ』と都合のいいことばかりを言って学生を集める。それが入社してみたら『聞いていたのと違う』となるわけです」

 大企業では、採用は人事の担当。個々の仕事や現場の雰囲気など学生が最も知りたい情報に答えるには限界がある。この点は、中小企業の方が小回りが利く。

 例として挙げたのは、入社後のギャップを防ごうと、採用活動中から取り組んでいる社員約100人の手袋・かばん製造「スワニー」(香川県)だ。同社では毎年、各部署から集められた5、6人でつくるグループが、最初の会社説明会から採用活動に携わる。

 何度も会って話をするうち、学生にとっては頼れる存在に。彼らを通じて入社前から会社について知ることができれば、入ってからがっかりする恐れは減る。この方法のもとで入社したのは2013年4月以降、6人。以前は高い離職率に悩んでいたが、やめたのは家庭の事情で仕方がなかった一人だけという。


◆よく観察して

 続いて、入社後。「今度は、会社側が新人を知ることが重要になります」。ん? 新入社員教育とは、会社が仕事の流儀を刷り込む機会ではないのか?

 「有能な社員とは、自分で課題を見つけ、考え、答えを出せる人」。だが、今の若い世代は他人と違うことをするのを不安に思う傾向が強いという。能動的に動けるよう変わる必要があるが、それには本人の自覚が何より大事だ。「その人に合った方法で自覚を促すには、相手がどんな人かを知らないといけない」

 とはいえ、具体的にはどうしたら? 「相手について100パーセント知る必要はありません」。何に興味があるか、どんな不安があるのか、特技は何か…。「しっかり会話し、よく観察することです」。人間関係を築く上では当たり前のことを、「相手を知る」という目的を持って、意識的にやることが欠かせない。雑談のようなやりとりの中で得た情報が仕事につながる可能性も大きいという。

◆失敗から学ぶ

最後に大事なのは、たとえ失敗しても致命的なダメージを受けない場を用意すること。「失敗から学べ」とは、昔からよく言われる言葉だ。しかし、それは立ち直れるチャンスがあってこそ。客や会社に実害がない範囲で挑戦させ、成功すればほめ、失敗したらそこから学ばせることが、人材を育てるには大事だ。

 「人材不足の今、会社は新入社員を『即戦力』として使いたがる」と谷さん。しかし「経験のない者が指導なく戦力にはなれません。自信を失って会社にいられなくなることは避けないといけない」と言う。パワハラという言葉が広がり、新人をどこまで指導していいのか分からないという声もある。ただ、一番やってはいけないのは「放置」や「丸投げ」。人を育てるには、じっくり手間をかける必要がありそうだ。

 (三浦耕喜)