2019/02/13
毎月勤労統計の2018年実質賃金の前年比伸び率を巡り、野党は12日、調査対象から除外された日雇い労働者を含めた場合、厚生労働省発表のプラス0・2%からマイナス0・3%に落ち込むとの独自試算を明らかにした。野党は所得が低いとされる日雇い労働者が集計から外れたことで、賃金が上振れしたのではないかと指摘している。
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調査対象を巡り厚労省は、関係省庁の統計調査に関する労働者区分のガイドラインが変更されたことに伴い、18年1月から日雇い労働者を除いた。
12日の衆院予算委員会で立憲民主党会派の小川淳也氏が試算を公表し「実態と合っていないのではないか」と訴えた。厚労省は8日、18年の現金給与総額(名目)は速報値で前年比1・4%増の32万3669円、実質賃金は0・2%プラスだったと発表した。
これに対し小川氏は、日雇い労働者を含めて18年分を試算すると、給与総額は32万2100円で、約1500円低くなると主張。伸び率も名目で0・9%増にとどまり、実質賃金は0・3%マイナスになるとした。安倍晋三首相は「比較の前提条件が同じなのか、よく精査する必要がある」と明言を避けた。
共産党の志位和夫委員長も賃金水準は実質的に低下しているとの独自の試算を公表し「所得環境が着実に改善しているとの(政府の)主張に真っ向から反する」と指摘した。
一方、根本匠厚労相は12日の記者会見で、昨年末に同省幹部から雇用保険や労災保険などの支給額に影響する可能性があるとの報告を受けながら公表しなかった理由について「その時点では影響の程度が明らかではなかった。影響を見定めるよう指示した」と述べた。
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