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【愛知】労災事故防止で「転ばぬ先の体操」考案 愛知労働局が中京大

2019/02/06

 福祉などの現場で中高年の女性従業員が転倒してけがをする労災事故が急増しているのを受け、愛知労働局は中京大の協力を得て「転倒予防体操」を考案した。ホームページ上で動画を公開し、「転ばぬ先のつえ」ならぬ「転ばぬ先の体操」による事故防止に期待している。

 労働局によると、2018年に起きた労災事故のうち、転倒は1477件(速報値)で全体の23%を占める。昨年発生した事故が今年に入って報告されるケースも多く、過去5年間で最多の1524件だった17年を上回る見通しだ。発生場所別では、商業と製造業の現場に続き、介護など保健衛生業が多い。

 男女別では女性が6割を占め、そのうち約八割が50歳以上となっている。子育てを終えた世代が、福祉施設などで働くケースが増えていることが、増加の背景にあるとみられる。

 大手企業の中には、従業員向けに体力づくりに取り組むところもあるが、中小企業からは「どうしたらいいか分からない」との声が多く、労働局は独自に体操をつくって普及させることにした。

 中京大国際教養学部の渡辺航平准教授(健康科学)の協力で、体重をかけてかかとを上げる動きなどで筋力を鍛える内容。3分ほどの動画にまとめた。

 名古屋市で1月22日にあった労働関係団体の懇談会では、動画に出演するトヨタ自動車女子ソフトボールチームが体操を披露。労働局の担当者は「転倒による骨折で1カ月以上休むケースも多い。リスクを正しく見つめ直し体力の補強をしてもらえれば」と呼び掛けている。

 (中崎裕)

※リンク:愛知労働局の転倒予防体操(https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/jirei_toukei/anzen_eisei/_121845_00003.html)