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【岐阜】焼き芋で育てる活躍の場 引きこもり経験者ら販売

2018/12/11

岐阜のNPO法人 就労機会確保へ事業

 引きこもり経験者に地域住民と触れ合いながら働いてもらおうと、岐阜市八代のNPO法人「仕事工房ポポロ」が焼き芋の販売事業を始めた。担うのは、同法人の支援を受ける20~50代の引きこもり経験者ら5人。9日に事務所の駐車場で始めた「自由市場」でも、目玉商品として提供した。(秋田佐和子)

 ポポロは、不登校や引きこもり、シングルマザーの支援を目指し、定期的にサロンを開いたり相談を受けたりしている。

 焼き芋販売は、地元の農家などとつながりを持ちながら地域に喜ばれる事業で利用者の就労機会を確保しようと発案。2年ほど前から計画を練り、今秋にはJAぎふと、市民団体を資金面から援助するNPO法人「ぎふハチドリ基金」の助成をもとに軽トラック、焼き芋機などを購入した。

 販売担当の1人の50代男性は、リーマン・ショックの影響でリストラされて引きこもりとなり、ポポロの支援を受けるようになった。この日に備えて火加減の調整、おいしく焼ける芋の研究などを重ね、「紅はるか」約50本を丁寧に焼いた。1時間余りで完売し「おいしいと言ってもらえてうれしかった」と笑顔だった。

 今後は毎月第1、3日曜の「自由市場」でコーヒー、雑貨とともに販売するほか、市内外20カ所程度での移動販売も目指す。ポポロの中川健史代表は「社会からはじき出された人の活躍する場所をつくり、稼げる仕事の一つにしていきたい」と意気込む。

ポポロの支援を受ける男性(左)から焼き芋を受け取る客=岐阜市八代で
ポポロの支援を受ける男性(左)から焼き芋を受け取る客=岐阜市八代で