2009/01/14
景気悪化で仕事や住まいを失った人たちであふれかえった名古屋市の中村区役所。緊急の無料宿泊所を確保できなくなった問題は13日深夜まで、支援者と市職員も入り乱れ、混乱が続いた。14日も朝から多くの人が生活保護申請や宿を求めて区役所に押し寄せ、解決策が見いだせない状況となっている。
14日午前零時を迎えるころ、市側は同日中に再び交渉の場を持つ、と回答。残っていた宿泊希望者は、多くが支援者のカンパで用意された旅館に向かったが、2人が支援者らと強制退去させられるまで区役所2階の講堂前にとどまることを決めた。
その場で夜を明かしたのは計10人。ストーブが止められた中、支援者らが持ち寄った毛布や買い出ししたコンビニ弁当で寒さと空腹をしのいだ。宿泊希望者の50代の男性は「ここまでやったんだから最後までここにいたい」と長いすに体を横たえた。当初、20人以上いた支援者らは午前1時を回ると10人ほどまでに。パイプいすや床に直接、毛布を敷いて寝る人もいた。
午前8時45分の受け付け開始には、約50人が並んだ。区役所に泊まった別の男性(45)は「1時間ほどしか寝ることができなかった」と疲れきった様子。市との交渉については「本当に前に進むのだろうか」と不安げに話した。
正午前、この日の緊急宿泊施設がすべて満室となったことが紙で張り出された。前日も宿泊場所を確保できずに支援者の補助を受けた男女は「もう打ち切り? 早いよ」と大きなため息。順番待ちの人であふれる待合所では、支援者らが「交渉するのであきらめないで帰ったりしないでほしい」と呼び掛けた。生活保護などを担当している同市保護課は「13日の段階と同じで、これ以上の対応は市として考えていない」と緊急宿泊所の新たな確保をする予定はない、としている。
転職・求人情報検索(名古屋市・愛知県・岐阜県・三重県)はトップから