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【社会】長時間労働是正へ議論「働き方会議」が初会合

2016/09/28

 長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現などを目指す政府の「働き方改革実現会議」の初会合が27日、首相官邸で開かれた。実現会議の議長を務める安倍晋三首相は、時間外労働の上限規制や非正規雇用の処遇改善など九つのテーマを議論する考えを示した。規制を厳しくしようとすれば企業側の抵抗も予想され、実効性のある具体策を提示できるかが課題となる。

 長時間労働の是正について、連合の神津里季生会長は「すべての労働者を対象にした労働時間の量的上限規制とインターバル規制の導入を実現すべきだ」と主張した。経団連の榊原定征会長は「時期的な変動や職種ごとに異なる要因にも留意した議論が必要だ」として、規制の一律強化には慎重な考えを示した。

 実現会議では、労使が合意すれば事実上労働時間の規制が外れる規定が盛り込まれている労働基準法36条の「サブロク協定」のあり方や、正規労働者と非正規労働者の賃金格差をどこまで縮小できるかが焦点となる。政府は実現会議の議論を基に、来年3月末までに実行計画をとりまとめる予定。

 首相は会合でほかの議題として、社会保障制度、税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備▽高齢者の就業促進▽病気の治療や子育て・介護と仕事の両立▽外国人材受け入れ-などを挙げた。

 「働き方改革」は、安倍政権が一億総活躍社会の実現に向けた主要施策に位置付ける。実現会議は首相のほか、加藤勝信担当相や塩崎恭久厚生労働相ら関係閣僚、企業関係者、有識者らで構成される。(中根政人)