中日新聞CHUNICHI WEB

就職・転職ニュース

  • 無料会員登録
  • マイページ

【愛知】月80時間以上残業38% 県内中学教諭、対策検討へ

2016/05/26

 法定労働時間より月80時間以上長く学校にいる教職員の割合が中学校では38・7%に達し、小学校の10・8%、高校の14・0%と比べて突出して高いことが、県教委の調査でわかった。部活動指導に割かれる時間が相対的に多いためとみられる。県教委は有識者や学校関係者による「教員の多忙化解消プロジェクトチーム」(PT)を6月1日に発足させ、対策を検討する。

 県教委教職員課によると、調査は2015年度、県立学校や市町村教委を通じ、管理職を含む教職員の在校時間を尋ねた。

 在校時間は勤務時間と必ずしも一致しないが、厚生労働省は月80時間を超える残業を「過労死ライン」と位置付け、脳や心臓の疾患を労災として認定する一つの目安にしている。

 PTは校長や市町村教委の指導主事、弁護士、PTA関係者ら八人で構成し、木岡一明名城大教授(学校経営学)が座長を務める。多忙化の主因とされる部活動など仕事のあり方や対策を話し合い、「教員の多忙化解消プラン」(仮称)の策定につなげる。

 経済協力開発機構(OECD)の13年の「国際教員指導環境調査」によると、日本の教員の勤務時間は週53・9時間。調査に参加した34の国・地域のうち最長で、平均の1・4倍だった。

 授業時間は平均程度ながら、課外活動や事務仕事が海外より長い実態が浮かんだ。

    ◇

 県教委はPTの参考資料とするため、11月30日まで、多忙化解消策について県民の意見や提案を募っている。(問)県教委教育企画課=052(954)6827

 (赤川肇)