2016/04/20
西三河地方の若者の就労を支援する安城市南町の「安城若者サポートステーション」(あんサポ)が八年前の設立以来、着実に実績を重ねている。3月末の累計登録者2107人のうち、半数以上の1147人が就職を決めた。総括コーディネーターの加藤薫さん(65)は「相談支援やセミナー、職業体験に力を入れた結果。悩みや不安を抱えた若者はぜひ利用して」と話している。(重村敦)
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あんサポ2階の作業場。10人ほどの若者たちが長さ5・5メートルの梱包(こんぽう)用ロープ作りやゴム製自動車部品のバリ取りに励む。黙々と手を動かす人もいれば、笑って会話しながら作業する人も。速度もまちまち。「1人1人に合わせて作業目標を決めている」と加藤さん。
あんサポは「地域若者サポートステーション」事業の一つで、厚生労働省から委託された安城市のNPO法人「育て上げネット中部虹の会」が運営している。
多くの地域若者サポートステーションは定期的な相談やセミナーが中心だが、あんサポは市が委託した「職業体験」にも取り組む。施設で軽作業をするほか、高齢者施設で入浴後のドライヤーかけをしたり、地域イベントでボランティアをしたりしている。
2014年度は新規登録者285人、短期アルバイトやパートも含めて就職した人が165人。就職率は57・9%で、全国平均の52・3%を上回る。
1年前に登録し、週4、5回、職業体験に参加する30代の男性は「就職に失敗し、10年ほど家にこもっていた。今は人と話す機会があり、規則正しい生活もできる」。3年近く利用し、昨年自動車工場で働き始めた男性(34)も「ここで人と接することに慣れたのがよかった」と話す。
加藤さんは「自信のない若者が多いので、一つずつできることを増やすようにしている。今後も個々に合わせた対応で就労を支援したい」と話している。
日、月曜、祝日休み。(問)あんサポ=0566(95)3137
【地域若者サポートステーション】 厚労省が2006年4月に始めた事業。全国に160カ所、県内には7カ所の窓口があり、あんサポもその一つ。委託を受けたNPO法人などが、無職や引きこもりなどの15~39歳の若者に就労相談や職場体験、面接訓練などを通して社会参加を促す。原則無料。
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