2009/01/06
東京・日比谷公園や厚生労働省の講堂に寝泊まりした「年越し派遣村」の失業者らのうち約280人は5日午後、学校跡地の体育館など、新たに東京都が用意した宿泊用の公共施設4カ所に移動した。日比谷公園がある千代田区にファクスで生活保護を申請した約230人のうち約80人は、区役所の特設窓口で手続きを始め、区は炊き出しをして迎えた。
中央区の廃校になった小学校体育館には午後5時ごろ、「派遣村」実行委員会がチャーターしたバスで約80人が到着。毛布の上に座り、都が用意した弁当を早速食べていた。旧校舎の一角には東京労働局が緊急特別相談窓口を設置。寮付きの求人票を約3000人分用意したが、高齢者向けの求人は少ないという。
昨年6月に配電盤製造の仕事を辞め、持ち金が尽きたため4日に派遣村のテントに泊まったという男性(28)は「人の温かみに触れ、やる気が出た。(体育館の使用期限の)1週間以内に仕事を見つけたい」と話した。
移動に先立ち、実行委は参院議員会館で集会を開催。与野党の国会議員約80人を前に、村長役を務めた支援団体の湯浅誠事務局長が派遣切りなどに遭った人たちへの生活支援などを求めた。
実行委によると、4日夜は厚労省講堂に270人、日比谷公園内のテントに219人が宿泊。一部の失業者や労組関係者ら計約600人は5日午前、日比谷公園から国会議事堂まで「大企業の派遣切りを許さない」「やる気のある人にチャンスを」と横断幕などを掲げ、デモ行進した。
都によると、新たな宿泊先として用意したのは中央区や練馬区の学校跡地の体育館や児童養護施設など。使用期限は12日までで、都はこの間、就労相談や緊急資金貸し付け相談などの支援をする。
◆派遣村めぐり総務省政務官「失言」
坂本哲志総務政務官(衆院熊本3区、当選2回)は5日午後、総務省の仕事始めのあいさつで、東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に集まった失業者らについて、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まってきているのかという気もした」と発言した。
坂本氏は派遣村での様子について「学生紛争の時の戦略のようなものが垣間見える」とも述べた。
坂本氏の発言は5日夜の民主、国民新両党の役員懇談会で話題になり、出席者から「派遣村に来ていた方々に対して本当に失礼な発言だ。不信任決議案にも値する」などの批判が出た。
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