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【地域経済】トヨタ、在宅勤務拡充を検討

2015/11/05

出社は週1日2時間だけ 仕事と暮らしの調和狙う

 トヨタ自動車が事務職と技術職の社員を対象に、在宅で終日勤務できる制度を新設する方向で検討していることが分かった。従来は子育て中の社員に限って認めてきたが、幅広い社員に適用する。働き方の選択肢を広げることで、生産性向上や仕事と生活の良好な調和につなげる狙い。

 10月下旬に労働組合側に提案した制度案によると、週1日、2時間出社すれば、それ以外は終日自宅で仕事ができる。総務や人事などの事務職や開発にかかわる技術職で、一定の勤務年数のある社員が対象。制度を利用するには上司の承認が必要としている。

 トヨタは4月から、1歳未満の子どもを持つ社員を対象に終日在宅勤務を導入し、早期の復職を支援している。子育てや介護といった理由がなくても柔軟な利用を認めることで、優秀な人材の確保や就労意欲の向上を図る。今後、組合側の意見を聞いて制度の詳細を詰める。

 在宅勤務を導入する大手企業は相次いでいる。リクルートホールディングスは10月から上限日数のない在宅勤務制度を導入。日産自動車は月40時間までの在宅勤務を認めている。

 政府は週1日以上の終日在宅勤務をする人の割合を2020年までに10%に増やす目標を掲げており、14年は3.9%の220万人だった。

 導入には労働時間の把握や情報通信機器の環境整備などの課題もあるが、産業界最大手のトヨタが検討を始めたことで、他社にも導入が広がる可能性がある。