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【地域経済】ベトナム語で建設用語集 外国人労働者増に対応

2015/10/15

名古屋のコンサル 英語も出版

 建設現場の外国人労働者が増加する中、名古屋市の建設コンサルタントの降籏(ふるはた)達生さん(54)が、ベトナム語と英語の建設専門用語集を出版した。建設現場で必要な道具や資材、工法など200の言葉を紹介している。11月には中国語、来年にはインドネシア語の出版を計画する。

 用語集では「差し金」や「げんのう」などの大工道具のほか、粘着テープで素材をカバーする「マスキング」や、クレーンでつり上げる荷物にロープを掛ける「玉掛け」などを紹介。正式な用語以外でも、ボルトなどを適度に緩ませた状態を指す「遊び」や、建物の基礎に使う砕石やコンクリート廃材を意味する「ガラ」など、建設現場で一般的に使われる言葉も豊富に盛り込んだ。

 降籏さんの建設事務所では今年2月までの4カ月間、ベトナム人女性のインターン生を受け入れた。彼女の日本語学習のため、降籏さんが執筆した用語集を翻訳してもらい、それを基に今回の出版につなげた。降籏さんは「外国人の技能実習生の受け入れでベトナム人は中国人に次いで2番目に多いが、これまで建設用語を説明する本はなかった」と話す。

 厚生労働省の統計によると、2014年10月の建設業の外国人労働者数は2万500人で5年前から倍近くに増えた。20年の東京五輪に向けた建設ラッシュを見据え、政府は建設業の外国人技能実習生の受け入れ基準を緩和しており、建設業界で働く外国人はいっそう増えると考えられる。用語集は1冊540円。「ハタ コンサルタント」のホームページで購入できる。(石原猛)

建設業界の専門用語をベトナム語と英語で解説する用語集
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