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【地域経済】デンソー 導入から3週間

2015/07/24

朝型勤務参加…40%
8時半までに退社…87%

 社員の長時間労働を減らそうと、デンソー(愛知県刈谷市)が1日から朝型勤務を始めて3週間余り。22日までの実績で、定時より1時間以上早い午前7時半までに出社する人が対象者の40%を占め、午後8時半までに退社する人も87%に上った。担当幹部は「順調な滑り出し」と評価している。

 朝型勤務は本社で働く1万3000人を対象に、7~9月の3カ月間の試行として実施。午前8時40分だった出勤時間を1時間前倒しし、午後8時以降の残業も原則禁止した。朝型勤務にするかは社員の判断に委ねている。

 調達グループの山内景太さん(36)は「帰宅が早くなり、子どもと触れ合う時間が増えた」と話す。帰宅後に取引先から連絡が入ることもあり「朝型勤務を説明して調整する必要がある」と課題も感じている。

 社員食堂では午前7時から30分間、通常なら300円ほどの定食を無料で提供している。23日は、サバのみりん焼きが主菜の和食と、ベーコンのソテーと目玉焼きなどの洋食、カレーの3種類を用意。毎日約2000食が出るという。

 人事担当の都築昇司常務役員は「長時間労働に基づく『ガンバリズム』では、グローバル企業として成長できない。仕事の生産性を見直すきっかけにしたい」と話している。

無料で提供される朝食を食べる社員らでにぎわう食堂=愛知県刈谷市のデンソー本社で
無料で提供される朝食を食べる社員らでにぎわう食堂=愛知県刈谷市のデンソー本社で