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【社会】介護休業 分割可能に 厚労省研究会 離職防止で提言

2015/07/11

 厚生労働省の有識者研究会は10日、介護や育児をしながら働き続けられるようにするため、育児・介護休業法の改正を求める報告書案の素案を提示した。介護休業について、現在93日を限度に原則一回しか取得できない仕組みを、複数回に分けて取得できるようにすることが柱だ。

 認知症患者の増加や施設から在宅介護への転換など介護ニーズの変化を踏まえ、介護や看護が理由の離職者が年間約10万人に上る現状の改善を図る。

 研究会は八月上旬に報告書をまとめ、その後、厚労省の審議会が具体的な制度づくりを議論。厚労省は来年の通常国会に改正案の提出を目指す。

 介護休業制度は現在、介護の必要な家族1人につき、通算93日まで利用可能。しかし、事前に申請した日数で一回しか取得できないため、研究会では、例えば、認知症の親が寝たきりになって再び休む必要が生じても取得できないなど、改善を求める意見が出ていた。

 このため、介護にかかわる労働者のうち、制度を利用している割合は3・2%(2012年)と低迷。研究会は介護の段階に応じて仕事を休めるよう見直しを求めた。

 介護休業の対象家族は現在、祖父母や兄弟姉妹の場合は同居が条件だが、同居でなくても対象にすることを検討すべきだとした。