2015/06/20
アイシン精機(愛知県刈谷市)は、主要子会社の変速機メーカー二社の役員を初めて自社の専従役員に迎えた。グループ間の事業連携を強め、世界の部品市場で勝ち残りを目指す。
自動変速機(AT)を製造するアイシン・エィ・ダブリュ(同県安城市)の取締役・専務執行役員だった尾崎和久氏(57)は、4月からアイシン精機の専務役員となり、今月18日付で取締役にも新任。手動変速機(MT)のアイシン・エーアイ(同県西尾市)で取締役・専務執行役員だった三尾晋司氏(56)も、4月から専務役員に迎え入れた。
尾崎氏はAT設計開発、三尾氏は生産技術を担当してきた経験を生かし、グループの事業企画をけん引する。一方、アイシン精機常務役員だった仕明真人氏(58)は今月9日からエィ・ダブリュ取締役に就いた。
エィ・ダブリュは乗用車系ATの世界トップで、アイシンは商用車系ATを手掛けている。エーアイは2016年にトヨタ自動車のMT事業を譲り受ける。役員の交流人事推進には「互いの技術を持ち寄って競争力を高める」(アイシン幹部)との狙いがあり、エンジン部品などとの一体開発を加速させる。
トヨタも4月から、デンソーとアイシン精機の生え抜き役員を初めて自社役員に迎えている。
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◆デンソーは初の女性役員
◆異例の生え抜き登用
デンソー(愛知県刈谷市)は19日、株主総会後の取締役会で、初の女性役員として下方(しもかた)敬子氏(57)=写真=を常務役員に選任した。トヨタ自動車の主要グループ会社で生え抜き女性の役員登用は異例。
下方氏は岐阜大医学部卒の産業医として、社員の健康診断や健康増進策などに長く携わってきた。常務役員としては、これまで部長を務めてきた健康推進部に加え、人材の多様化に取り組む「DP-ダイバーシティ推進室」を担当する。
同日開いた株主総会では、女性株主が女性役員の登用について質問し、加藤宣明社長は「取締役への登用にはまだ時間がかかるが、適任がいればやぶさかではない」と回答。「出産や育児がハンディにならないような仕掛けをしていきたい」と語り、女性が活躍できる制度づくりを進めるとした。
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