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【地域経済】「オンライン秘書」急増中 在宅で業務代行 子育て女性関心高く

2015/06/16

 自宅にいながらインターネット上で秘書や経理業務などをこなす「オンライン秘書」サービスが、東海地方で広がっている。コストや労務管理の手間が省けるのが利点で、出社の必要がないため子育て中の女性ら働く側の関心も高い。(今村節)

 ◇ ◇ ◇

 秘書代行業の「ハースタイル」(名古屋市)は、昨夏からオンライン秘書サービスを始めた。8人の女性スタッフが、ネットで発注された資料作成や名刺のデータ入力などの業務をこなし、ネットで送信。スケジュール調整などもメールのやりとりで対応する。本林早苗社長(45)は「コスト削減できるほか、派遣社員と違ってスタッフ管理などの手間も省ける」と話す。

 今では首都圏や海外の現地法人にも利用が広がり、旅行会社や飲食業、製造業など約20社が利用。ほとんどが中小企業で、栄養コンサルティング会社「フレック」(岐阜県瑞穂市)の馬淵恵社長(43)は「本業以外の事務作業を任せられるので助かっている。オンラインなのでやりとりも速い」と話す。

 ハースタイルではスタッフ8人のうち六人が子育て中。その1人、後藤春奈さん(28)は「子どもが急に熱を出しても自宅で働けるのが利点。出社しなくても、パソコンがあれば仕事できるから」と話す。昨年9月に設立したオンライン秘書サービス専門企業「キャスター」(横浜市)も東海、九州地方や海外在住の女性ら約20人のスタッフを抱え、都内のIT企業など約40社が利用している。

 6月にはあいち子育て女性再就職サポートセンターがオンライン秘書講座を開き、愛知県内の女性約20人が参加。ハースタイルの本林社長を講師に、具体的な仕事内容や、インターネットの使い方などを学び、「どのような通信環境にしたらいいか」など熱心に質問していた。

 政府は全労働者のうち在宅勤務する人の割合を、現在の約4%から2020年に10%に引き上げる方針を示している。本林社長は「欧米ではオンライン秘書サービスはすでに浸透している。スカイプやチャット、電子メールなど、インターネットでのやりとりが当たり前になった今、日本でもこれから市場が広がると思う」と語った。

オンライン秘書について語る本林早苗社長(右端)と、講義を聞く女性たち=名古屋市中村区で
オンライン秘書について語る本林早苗社長(右端)と、講義を聞く女性たち=名古屋市中村区で