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【愛知】1年通じ 同じ職場体験 豊橋商3年生慣れや繁忙期経験見込む

2015/06/11

 全国でも珍しい1年を通じたインターンシップ(就業体験)に、豊橋市の豊橋商業高校国際ビジネス科の3年生37人が挑戦している。10日は、本年度3回目の体験日。通常は数日の体験で終えてしまう学校が多いが、昨年度から地元企業の協力を得て、1年間同じ職場で働かせてもらっている。 (飯盛結衣)

 ◇ ◇ ◇

 和菓子屋「童庵(どうあん)」牛川店(豊橋市牛川通)では、伊藤妃奈子(ひなこ)さん(18)と鎌田チャコさん(17)が働いていた。業務は主に、店内や店周辺の清掃、和菓子を入れる箱の組み立てとシール貼付、お客さんへのお茶出しだ。

 将来は接客業に就きたいという伊藤さんは「少しずつお客さんと触れ合う時間を増やしていきたい」と意気込む。人と話すのが苦手だった鎌田さんは「店の人に毎回優しく教えてもらい、仕事に対するイメージが変わった」と話す。1日中、立ち仕事の大変さも感じるという。

 「童庵」は毎年インターンシップを受け入れている。地域貢献と和菓子の魅力を若い世代にも知ってもらいたいからだ。店長の安藤チヒロさんは「2人ともうちの店の基本であるあいさつ、清掃をよくやってくれている」と評価する。

 豊橋商のインターンシップは4月から計11回、市内31事業所の協力で、実施する。これまでは毎回半日のみだったが、本年度から丸1日を体験に充てている。

 朝倉千尋教諭(38)は「1日、年間通してやることで、生徒が仕事場に慣れ、繁忙期などの季節感も経験できる。将来の進路決定に生かしてほしい」と話す。