2015/05/29
県内の各労働基準監督署が2014年、労働者らの申告を基に扱った不当解雇や賃金不払いなど労働関係法令違反は1819件だった。13年を6.3%上回り、リーマン・ショック翌年の09年以来、5年ぶりに増加に転じた。申告内容は解雇に関する事案の減少傾向が続く一方、賃金関係が増えている。
◆解雇関係は減少続く
愛知労働局が28日発表した。解雇関係の申告は10年以降、5年連続の減少となった。景気回復に伴い雇用情勢が改善した結果、雇用そのものに関する申告は減ったとみられる。
申告を業種別に見ると、接客娯楽業が全体の15・9%を占めて最多。商業が15・0%、人材派遣業が13・0%で続き、人材派遣業は13年より4割以上多くなった。
申告の内容では賃金不払いが全体の75%と最も多く、13年より8%増加。典型的な例としては、決められた日に定期賃金の全部や一部が支給されなかったり、時間外労働や休日労働に伴う割増賃金が払われなかったりした。
この中には、外国人技能実習生が時間外労働の割増賃金不払いを申告し、労基署が入国管理局と合同で調べて事業主に是正勧告した結果、不払い分として約一千万円が支払われた事例もあった。
一方、各労基署が実施する定期監督と呼ばれる主体的な立ち入り検査で14年中に指摘した労働関連法令違反は、労働時間関連が27・9%で最多。必要な手続きをしないまま、法定労働時間を超えて働かせる例が目立った。
さらに、必要な健康診断を受けさせないなど健康診断関連が19・7%、事故防止策を怠るなど安全基準関連が17・9%と続いた。
(赤川肇)
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