2015/04/16
豊田自動織機の林隆幸さん(31)は技能専修学園を修了し、トヨタ自動車グループの源流の自動織機を生産する本社の刈谷工場(愛知県刈谷市)に配属された。手痛い失敗を経験しながら成長していく。
配属先は丸小物(まるこもの)と呼ばれる五人の班で、約1万点の織機部品のうち120点ほどを旋盤や研磨機で加工します。隣にはトヨタ創業者の豊田喜一郎さんが国産車造りに挑んでいた時代の建物があり「あの人たちも、ここで汗を流していたんだな」と歴史を感じます。
配属後すぐに大失敗をしました。プログラム通りに自動で部品を削るNC旋盤で、「刃」の部分が、削るはずの部品を通り越して旋盤本体に「ドンッ」。修理に2、3日かかるほどひどく壊れました。
上司に平謝りし、保全の皆さんに修理をお願いすると、自分はすぐに「なぜなぜ解析書」に取りかかりました。「なぜぶつかったのか? スタートボタンを押したから。なぜ押したのか?」となぜを五回自問し、「刃をスタート位置に戻していなかった」という根本的な原因を特定します。
この「なぜを五回」は、不良品の再発を防ぐ「トヨタ生産方式」の考え方の一つです。これが意外と難しいんです。後始末のため自分が抜けた分、同僚は大忙し。迷惑をかけた上に解析書もうまく書けず、へこみました。
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